解剖学 理学療法士・作業療法士 国家試験問題 解説
42-10
中枢神経系の系統発生と分化で正しいのはどれか。
1.海馬は大脳皮質で最も新しい。
2.小脳半球は虫部より新しい。
3.線条体は間脳に属する。
4.橋は中脳から分化した。
5.延髄は脊髄から分化した。
解説
基本的に、大脳皮質など高次脳機能を司る場は, 系統発生的に新しい。小脳は, 永統発生的に原始小脳 (片葉小節, 虫部),古小脳(前葉),新小脳(後葉)に分けられる。
×1 系統発生的に, 海馬(と大脳辺縁系)は古い皮質といわれている。
○2小脳半球は解剖学的に前頭葉から後頭葉とからなる。どちらにしても,虫部は原始小脳にあたるので, それより新しいといえる。
×3 聞脳は視床および視床下部からなるが,線条体は大脳にあたる。線条体(尾状核+被殻)は大脳基底核の構成体の一つである.
×4 系統発生に従って,延髄→橋→中脳→間脳→終脳の順に発生するので, 橋が中
脳から分化することはない。
×5 発生において, まず神経管ができ,その前部が膨らんで脳となる。延髄は,その前部の膨らみの一つから発生するのであって,脊髄から分化するわけではない。
正 解 2